刑事事件の解決例④(金融商品取引法違反、不起訴)


金融商品取引法違反(無登録営業の罪)で逮捕されたが、不起訴で釈放されたケース

事例の概要

 Aさんは金融商品の販売を行っていた。しかし、必要な国への登録をしていなかったとして令状逮捕された。

経過

 無登録営業の罪については、特段争いはなかった。しかし、警察の裏の意図としては、金融商品の購入者(出資者)に対する詐欺罪の成立を視野に入れているものと考えられたため、弁護人から各出資者に対し、被害届を出さないように、交渉を行った。案の定、捜査の後半段階に入ると警察は各出資者に被害届を出すように強く働きかけてきた。これは、詐欺罪での被害の届け出を受けて再逮捕をするための捜査であった。しかし、交渉の甲斐あって、出資者は全員、被害届を出すことを思いとどまった。

 その結果、無登録営業の罪の勾留期限が切れるとともにAさんは不起訴となり釈放された。

コメント

 現行犯逮捕の場合と違い、令状逮捕の場合は最終的に何らかの処分がなされるのが通常で、何の処分もなく不起訴で終了することは比較的珍しいことかと思います。

金融商品取引法の無登録営業の罪は、無登録で金融商品を販売した場合に直ちに成立するものであり、被害者も存在せず、いわゆる「形式犯」に該当します。

 このように、比較的軽微な形式犯で逮捕された場合、警察は、形式犯での逮捕を足掛かりに、より重い罪名の犯罪で再逮捕することを企図していることが考えられます。

 逮捕状に記載された被疑事実だけでなく、事件全体を見て警察の意図を予測し、それに応じた適切な対応をすることによって、軽い処分で済むことがあるので、捜査の早い段階で弁護人に相談することが重要だといえるでしょう。


このページの先頭へ