労働事件に関する解決事例②(給与からの天引き)


会社の方針で給与から違法な天引が行われていたケース。

事例の概要

Aさんは、Bという会社に20年以上勤務していた。本来社会保険料は従業員と会社が半額ずつ負担することになっているが、B社は、Aさんが入社した当初より、全ての従業員に社会保険料を全額天引きしていた。Aさんは、このような会社の措置が正しいのか疑問に思い、相談に訪れた。

解決経過

受任直後、B社に対して、金額を推定して請求書を送るとともに、社会保険料に関する資料の開示を要求。B社は資料を開示してきたが、時効を理由に2年分しか支払わないと主張。主張が平行線となったので、当方から訴訟を提起。結果、当方の請求額(過去10年分の自己負担分)ほぼ全額の支払いを受ける形の和解が成立。

コメント

従業員の方が会社に対して何らかの請求をする場合、手元に資料がない場合も多いです。このような場合、会社に対して資料を開示させるという手段を取ることが可能な場合がありますので、手元に資料がないからといって諦める必要はありません。

従業員の会社に対する給与の請求権は、時効期間が2年です。従業員側から会社に対して何らかの請求をする場合、会社からは2年の時効を主張されることが多いですが、請求権が給与債権に該当するか否かによって、時効期間が大きく異なります(給与債権でなければ時効期間は10年)。今回のケースでは、給与債権に該当しないとの当方の法的主張を裁判所が認めたことにより、請求額に近い金額での和解が成立しました。


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