日弁連の「死刑廃止宣言」について
日弁連は、去る10月7日に行われた人権大会において「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択しました。
同宣言において日弁連は、2020年までに死刑制度の廃止を目指し、その実現のために全力を尽くすこととしました。
日弁連は強制加入団体であり、日本の弁護士は全員日弁連に加入しなければなりません。上記宣言は、日本の弁護士全員が加入している団体としての「日弁連」の見解です。しかし、日弁連の会員である弁護士の中にも、死刑の存廃を巡っては様々な意見があり、この「宣言」に反対する弁護士も多数存在します。
2015年に内閣府が行った世論調査において、「死刑もやむを得ない」との意見が80・3%であるなど、死刑廃止は未だ国民の多数の合意を得ているとは到底言えない状況です。
死刑の存廃は、単なる法律的側面だけではなく、社会的側面、倫理的側面等多面的な問題があり、その存廃の議論において、法律の専門家に過ぎない弁護士の見解が一般国民の意思よりも優れているわけでは決してありません。
死刑の存廃は、自然な国民意思によって決せられるべきであって、日弁連という単なる職能団体が国民の意思から離れ、あるいは国民の意思をリードして死刑廃止を目指すなど、おこがましいと言わざるを得ません。
私は、日弁連が上記のような宣言を採択すること自体反対であり、今後も、犯罪被害に遭われた方の悲しみや心の傷にも寄り添った活動をしていきたいと思っています 。