使用していた土地が100年ほど前の祖先の名義のままであったケース



先祖の名義の土地を自分名義に変更しようとしたところ、一部の権利者から拒否されたケース。

事例の概要

依頼者のAさんは、曾祖父の代から地元で農業を営んでいたが、土地が曾祖父の名義のままとなっていた。これを自分の名義にしたいと思い、司法書士に依頼した。ところが、曾祖父の相続人は30人を超える人数になっており、うち1名からどうしても承諾が得られず、弁護士に相談することとなった。

解決経過

曾祖父名義の土地を自分の名義に変更するためには、曾祖父の相続人全員の承諾が必要となる。そこで、相続人全員に対して通知書を送り、そのうち承諾をしてくれる人から承諾をもらった。30名を超える相続人のうち、大多数からは承諾を得られたが、数人からは承諾が得られなかった。

そこで、裁判所に調停を申し立て、結果、全員の承諾を得て、土地をAさん名義にすることができた。

コメント

土地の登記変更の問題は、弁護士も司法書士も取り扱うことができます。しかし、司法書士が取り扱うことができるのは、相続人全員の承諾が得られる見込みがある場合で、一人でも反対する人がいる場合は、弁護士に依頼頂くことが必要です。

過去、明治時代の人の名義のままになっていたケースもあり、このケースでは相続人は優に100人を超えました。こういったケースでは、一人ひとりの同意を得ることは不可能ですので、調停や訴訟による解決が不可欠となってきます。相続人が増えれば増えるほど、解決は難しくなっていきますので、できるだけ早めに弁護士にご相談いただくのがいいでしょう。

このページの先頭へ