交通事故の解決事例②


 

事案の概要

Aさんは、70代の専業主婦で、夫と2人暮らし。

当日バイクに乗車していたAさんは、右折のためにセンターライン寄りに停止していたところ、反対車線からセンターラインをはみ出して走行してきた加害車両がAさんと正面衝突した。Aさんは、足を中心に大けがをし、入通院治療をしたが、最終的に後遺障害が残存した。

 

過失割合

当方は、10対0の主張をしていたのに対し、加害者は、事故後、Aさん側がセンターラインを越えていたかのような主張をし、加害者が加入していた保険会社も過失相殺による減額を主張してきた。当方は、Aさんには一切落ち度はないものと主張してきたが、結局、交渉段階では過失割合については平行線に終わった。

 

 (訴訟前の交渉

交渉段階での当方の請求額と、加害者の提示額の主な相違点は以下のとおり。 

 

  当方の請求額

 当方の主張  加害者の提示額  加害者の主張
① 休業損害  170万円

 Aさんは専業主婦であったが、入院や通院のために家事労働に支障をきたした。そこで、全女性の平均賃金をベースに、家事労働に従事できなかった期間分の休業損害

 120万円

 全女性の平均賃金ではなく、70歳代の平均賃金をべースに計算すべき

 ②自宅改装費  55万円  脚部に残った後遺障害のため、自宅の改装が 必要

 0円

不必要
 ③器具・装具代  16万円

 脚部に残った後遺症のため、器具や装具が

必要

 0円

 不必要
 ④入通院慰謝料  250万円  裁判所基準

 185万円

 保険会社基準
 ⑤後遺障害慰謝料  290万円  裁判所基準  125万円  保険会社基準
 ⑥後遺障害逸失利益  560万円  後遺障害が残ったため、今後の家事労働に支障が生じる。全女性労働者の平均賃金をベースに、平均余命期間の逸失利益を請求  127万円  
合計

1100万円

(既払分を除く)

 

370万円

(既払分を除く)

 

 交渉では、当方の請求額が1100万円に対して、加害者側の提示額が370万円と大きな隔たりがあり、かつ、加害者側保険会社には大幅な譲歩の余地が見込めなかったことから、訴訟を提起。

 

訴訟

訴訟では、双方とも交渉段階と同様の主張を展開。双方の主張・立証終了段階で、裁判所から和解の提 案がなされた。 裁判所の見解は、以下のとおり。

・過失割合は、10対0

・休業損害と逸失利益の計算においては、70代の平均賃金を採用。

・逸失利益の期間としては、平均余命期間の2分の1で計算。

・その余の点については、ほぼ当方の主張を採用。

このような裁判所の見解を前提に、結局、800万円の支払いで双方が了承し、和解成立。

 

(コメント)

交通事故の場合、示談交渉段階では、様々な点で減額の主張をされ、提示される金額は少額になりがちです。法律上正当な賠償金を受けるためには、弁護士に依頼される必要が高いです。

訴訟というと大げさに聞こえるかもしれませんが、交通事故の場合は、本人が法廷に出廷することはほとんどありませんので、解決のための手段の一つとして積極的に利用すべきかと思います。

 

 

 

 

 


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